中古の賃貸併用住宅を購入するには

最近では、マイホームの選択肢として、一戸建てや分譲マンションではなく賃貸併用住宅を購入する方が増えています。

賃貸併用住宅のメリットはなんといっても、「住宅ローンの返済負担を大幅に減らすことができる」ということです。

なぜ、そんなことが可能なのか。こちらでは、実際に賃貸併用住宅に住んでいる私が、その仕組みについてご紹介致します。

また、今回は中古の賃貸併用住宅を買う場合の注意点についてもわかりやすくご説明。実は新築を購入するよりも、中古の賃貸併用住宅を買う場合の方が慎重にならなければいけないんです。

「安く買うなら中古でしょ」とお考えの方は、ぜひこちらを参考に中古物件を選んでみてください。

 

 

住宅ローンを抑えられるマイホームとは?

まずは、「そもそも賃貸併用住宅とは何か?」という方のために、賃貸併用住宅のご説明を致します。

簡単に言うと、賃貸併用住宅とは、自分が住む自宅部分と他人に貸し出す賃貸部分の2つのスペースを同じ敷地に備えた1つの建物のことです。

皆さんも街を歩いていると1階が店舗、2階が自宅といった店舗兼用の一戸建てを目にする機会があるかと思います。賃貸併用住宅の場合は、1階部分を店舗ではなく、人が住む賃貸物件に変えたものだと想像してください。

この住宅構造のメリットは、なんと言っても「家賃収入によって住宅ローンの返済負担を軽減できる」ということです。

一般的に、金利の低い住宅ローンといえども、家を1つ購入するためには、少なくとも3,500万円ほど借り入れる必要があります。このローンを、35年という長い間返済し続けるのは非常に大変ですよね。

さらに、住宅ローンの金利設定は大体0.8%~1.2%ですから、借入額に加えて300万円ほどの利息も発生します。

また、日本人の多くは、生涯収入の3分の1を住居費として支払っていると言われています。賃貸を借りてアパートやマンションに住んでいても、毎月家賃を支払い続けなければいけません。新築の一戸建てであれば、月々のローン返済は13万円~16万円といった額になります。都心であればより高額になるでしょう。

こうした住居費を抑えるための仕組みを持っているのが、賃貸併用住宅。敷地内に自宅だけでなく、賃貸物件を数戸作ることで、家賃収入と住宅ローンの返済負担を相殺することができるのです。

たとえば、2階全部を自宅とし、1階に家賃8万円の1Kを3戸用意すると、月々に 8万円×3部屋=24万円の不動産収入を得ることができます。

この賃貸併用住宅の毎月のローン返済額を18万円だとすると、24万円の不動産収入との差額から、なんとその月の返済が無くなるだけでなく、さらに6万円もプラスに収入が入ってくることになるんです。

(※家賃収入とローンの仕組みは画像作成して挿入します)

このように、今まで通り居住費としてただお金を支払うだけでなく、賃貸経営によって不動産収入まで稼ぐことができるため、賃貸併用住宅が注目されてきています。

実際に住宅ローン0円を達成している方は多くないのですが、それぞれ自宅のデザインや設計にお金をかけていたり、人気のある賃貸物件を建てることに費用をかけていたりと、こだわりがあるようです。

私の場合は、住宅ローン0円を目的にして賃貸併用住宅を建てましたが、自宅に費用をかけているため毎月2万円ほどローンの返済がある状態になっています。といっても、新築一戸建てを購入するよりはかなり少ない負担です。

また、住宅ローンの返済が終われば、それまで返済に回していた分の家賃収入をそのまま手にできるのも賃貸併用住宅の魅力です。一般的に住宅ローンは35年まで利用可能なので、多くの方が完済後は仕事を退職して老後を過ごしているかと思います。

それまでの自分の貯金や年金以外にも、何か新たな収入源を増やしたいと考えている方は、ぜひ一度賃貸併用住宅を検討してみることがおすすめです。

 

中古と新築のメリット・デメリットを比較

住宅ローンを抑えることができると聞いて、賃貸併用住宅の購入を検討する方は多くいます。

戸建て住宅や分譲マンションと同じように、賃貸併用住宅も、新築と中古から物件を購入することが可能です。では、賃貸併用住宅を購入する場合、新築と中古どちらを選べばいいのでしょうか?

戸建て住宅であれば、新築なら購入価格が高くなる。中古なら建物の維持費用が高くなるといった点が比較できますが、賃貸併用住宅の場合は、収益性からも比較を行う必要があります。

そこでこちらでは、新築と中古のメリット・デメリットを比較してご説明いたします。

 

賃貸併用住宅のメリット

中古の賃貸併用住宅

・新築よりも安いコストで手に入る
・中古物件に入居者がいればすぐに家賃収入が入ってくる

 

新築の賃貸併用住宅

・人気の立地に家を建てられる
・好きな間取りやデザインで自宅を設計できる

新築と中古で賃貸併用住宅を比較して見ると、このようなメリットを挙げることができます。

主に、中古では初期費用の面で新築の物件よりも優れていると言えるでしょう。築年数が20年ほどの賃貸併用住宅であれば、土地代が5,000万円だとしても建物の購入費用を500万円程で済ませることもできます。

ただし、購入後にリフォームや耐震工事が必要になるケースもあるので、購入費の他に何か必要な支払いはないかあらかじめ調べておきましょう。

また、既に賃貸部分に入居者がいる賃貸併用住宅を購入すると、住み始めてからすぐに家賃収入を得ることができます。賃貸部分が空き室の状態になっていると、その分の家賃は得られないことになってしまうので、購入前から入居者がいるのは中古ならではのメリットだと言えます。

一方、新築であれば、自由度の高い家を設計できるのが魅力です。自宅部分に和室を1室入れたり、自分だけの地下室を造ったりと、中古ではなかなかできない設計が行えます。

また、賃貸経営で成功しやすい賃貸併用住宅を建てられるのもポイント。というのも、賃貸物件を探しているほとんどの人が立地条件を重視しているからです。

お気づきの方もいるかもしれませんが、賃貸物件を経営する上で立地は非常に重要です。駅やスーパーからアクセスの良い土地を持てば、後々入居募集の際に有利になります。

このような人気の立地にある中古物件を探すのは大変難しいため、自分が住みたい、かつ入居募集の際にも人気となる土地選びが行えるのは、新築で建てる利点だと言えます。

 

賃貸併用住宅のデメリット

中古の賃貸併用住宅

・中古で既に建物が劣化しているため維持費用がかかる
・建設時に耐火・耐震工事が施されていないと優遇されない

 

新築の賃貸併用住宅

・初期費用が高くなる

賃貸併用住宅の新築と中古でデメリットを比較して見るとこのような点が挙げられます。

中古では、既にある程度の築年数が経っている賃貸併用住宅を購入するため、新築よりもメンテナンスが必要です。そのため、外壁や室内の修繕、設備を取り換えたり、購入後もやるべきことが多くあります。

他にも中古物件の中には、現在の基準に照らし合わせて耐火性・耐震性が十分でないものもあります。このような中古物件は、住宅ローン減税制度の適応外となってしまうため、節税観点から見ると新築よりも不利になってしまうでしょう。住宅ローン減税制度では購入者の所得税だけでなく、住民税からも一定額控除されるため、できれば利用したい制度です。

一方、新築の場合、土地代+建築費用がかかるため、初期投資にかかる費用が高くなります。

しかし、住宅購入に関する初期費用は高額になるものの、月々の住宅ローンの返済は家賃収入によって大幅に軽減されるので、特に気にするべきデメリットではないと言えます。

新築・中古問わず賃貸併用住宅を購入する際には、しっかりと収支シミュレーションを行って納得のいく返済プランを立てることが大切です。

 

賃貸併用住宅の中古物件を購入する時の注意点

「新築で賃貸併用住宅を買おうと思っても、住宅ローンの借入額が大きすぎて難しい…」という方は、多いですよね。

できるだけコストを抑えるために、やっぱり中古の賃貸併用住宅を買いたいと考えるでしょうが、中古で賃貸併用住宅を購入する場合は、いくつか注意点があります。

賃貸併用住宅は、収益不動産としての性質もあるので「自分が気に入ったから」という理由だけで家を購入すると、後程苦労してしまいます。特に、いい中古物件を不動産投資の観点から判断して選ぶのはとても難しく、専門知識がないままでは失敗してしまいます。

まず、市場に出回る賃貸併用住宅の中古物件のほとんどが何か問題を抱えています。というのも、利益の出ている中古の物件は、特別な事情がない限り売却されることはないためです。

なので、中古物件の中には、日当たりや間取りが悪かったり、周辺地域の治安が悪かったり、住んでいる入居者に問題があったりします。このような中古物件を購入しないためには、実際に内見に行くことが大切です。

また目には見えなくても、中古の建物では耐震工事や耐火工事といった建築構造が万全ではないことも考えられます。これらの工事が規定に満たさない場合には、住宅ローン減税を受けることができません。

住宅ローン減税とは、マイホーム購入者の金利負担を軽くするための制度です。平成26年度以降に家を購入すると、最大で400万円の控除を受けることができます。

所得税で控除しきれない場合には、住民税からも一部控除できるので、節税対策としてはぜひ利用したい制度だと言えるでしょう。中古物件を購入する際は、これらの工事がしっかりと行われているかどうか事前に不動産会社に確認することがおすすめです。住宅ローン減税については、一戸建ての中古物件を購入する場合にも注意が必要な点です。

しかし、賃貸物件に向いている間取りや住まいは購入者では判断しづらい部分。自分で内見に行くのはもちろんのこと、購入を考えている中古物件がある場合は、賃貸併用住宅の知識がある不動産会社に相談をしてみましょう。

 

新築も検討してみよう!

本当に成功する賃貸併用住宅を建てるなら、中古だけでなく新築の物件も検討してみることがおすすめです。

賃貸併用住宅の成功とは、賃貸部分が満室状態になり家賃収入が十分に入ってくる状態のことを意味します。家賃収入が十分であれば、住宅ローンの負担をかなり抑えることができるためです。

家賃収入を最大化させるためには、とにかく部屋を探している人が住みたいと思う賃貸物件を作ることが重要になります。そして、人気の賃貸物件を備えた賃貸併用住宅を手に入れるには、不動産の中古市場で根気強く物件を探すよりも、新築で1から家を建てた方が手間はかかりません。

土地選びさえ行えば、あとは理想の賃貸併用住宅の設計プランを作成すればいいだけです。

また、中古の賃貸併用住宅の中には音が響きやすい住宅構造になっていたり、既にいる入居者に問題があったりする物件もあります。オーナーと入居者が隣り合う建物の賃貸経営を行う上で、騒音問題やプライバシーの問題は非常にデリケートなものです。

できるだけストレスのない生活を送るためにも、遮音性の高い鉄骨素材を使用している賃貸併用住宅などを購入するようにしましょう。

しかし、このようなポイントは内見だけでは判断できない部分。中古物件選びには、常にこのような物件を購入するリスクがあることを覚えておいてください。

もし、自分が希望する条件の物件を見つけて購入するべきか判断に迷ったときは、不動産の知識を持った専門家に相談をし、適切なアドバイスを受けることが重要です。

また、賃貸併用住宅の中古・新築について、こちらのサイトで非常に細かく説明しています。今回の記事を作成する際にも、参考にさせていただきました。興味のある方は、ぜひご参照ください。
 

賃貸併用住宅.jpを参照する

 

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